皆様、こんにちは!
おもちゃのギミックを見ると、
ギミックを解明したい衝動に駆られてしまうKURODAI( @KURODAI_GSC )です。
そんな本日は、毎月恒例(自称)の製造開発豆知識を
皆様にお届けします!
第1回と第2回では金型中心の内容でした。
今回からは、その金型で成型されるフィギュアについてお伝えしていきますよ~(=゚ω゚)ノ
第1回はコチラ⇒(https://ameblo.jp/blog-shinsotsu2012/entry-12402715272.html)
第2回はコチラ⇒(https://ameblo.jp/blog-shinsotsu2012/entry-12417222666.html)
突然ですが、フィギュアの素材って皆様ご存知でしょうか??
商品ページやパッケージの裏を注目すると記載されているんです。
商品詳細の欄に注目!!
パッケージ裏の記載はこのようになっております。
お詳しい方は「PVC」と「ABS」が使用されているとご存知のことでしょう。
ちなみに私は入社するまでフィギュアの素材は「プラスチック的なサムシング」と
すごい漠然としか認識していませんでした(*´ω`)
しかし、PVCやABSがどのような素材で、どのように使用されているのかまで
ご存知の方は少ないのではないでしょうか?
と、いうことで今回はフィギュアのメジャーな素材であるPVCとABSについて追及していきます!!
まずは「PVC」から!
PVCとは「ポリ塩化ビニル(Poly Vinyl Chloride)」の略称です。
PVCはフィギュアだけでなく、衣服にも使用されているんです!
ま、まさか、服にまで利用されていたなんて…( ゚Д゚)
その理由は「加工性能の良さ」!
以前の記事でも紹介しました様に温かい状態ですとPVCは軟らかくなります。
それもあって様々な成型品に用いられたりしてるんです。
ねんどろいどの面相もドライヤーで温めるだけでこの通り!
※この画像は演出です。無理に変形させると元に戻らなくなる恐れがあるのでご注意ください。
お次は「ABS」について!
ABSはポリスチレン、ブタジエン、アクリロニトリルの3つを混ぜて作られた材料です。
各成分から一文字ずつ取ってABSという名になったそうですよ。
こちらもPVCと同じように「加工性能の良さ」や「光沢性」から、様々な工業製品に使用されています。
代表的なものとしては、テレビのフレーム部分や車のフロント部分です。
こちらも幅広く利用されているんですね!
2つの素材について簡単に説明させていただきましたが、いかがでしたでしょうか??
しかし、この説明を見ると共通した利点があることから、
「それなら素材はPVCでもABSでもいいのでは??」
と考える人もいるかもしれません。
だがしかし!そういうわけではございません!
実は、この2つの素材は明確に使い分けられているのです。
それはズバリ、「再現したい形状の違い」!
これまで説明した金型ですが、作成には2パターン存在しています。
それは…
①鋳造による金型作成
②3Dデータによる金型作成です。
①は見本品の複製を繰り返して金型を作成する方法となります。
そのため、髪の毛などの3次曲面の複雑な形状も金型作成が可能となります。
しかし、3次曲面には前回説明したようなアンダーが発生する可能性があるのです。
そういう時、温かい状態で柔らかいPVCが型抜きするのに適しているのです!
②は文字通り3Dデータを用いて金型を作成する方法です。
3Dデータをもとにドリル切削することで金型を作成しているのです。
こちらはデータをそのまま彫り込んでいくため、
見本の形状を細かく表現したい時や光沢を出したい時に用いられています。
その時、変形の恐れが少なく、光沢もあるABSがより適しているのです!
特に武器パーツにはABSが良いですよね!
製品ごとに商品ページやパッケージ裏面の素材表記を見ることで
新たな発見があるかもしれません。
今度からはフィギュアを見るときにぜひ確認してみてください!
それでは本日はここまで!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
次回予告
グッスマバニー部こと営業部オリバーが新たなバニーを呼び寄せるようですよ??
お楽しみに!
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