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皆さま、こんにちは!
製造部のSENです。

 メカスマブログや雑誌の取材に度々登場する「メカスマ設計班」、それはグッドスマイルカンパニー社内でメカスマ商品の設計検証に携わるスタッフの総称です。彼らの仕事内容と商品開発での立ち位置について、気になる方も多いのではないでしょうか。ということで…

 今回はメカスマ設計班の平田さんをらぼブログに招き、いろいろ訊いてみたいと思います!

平田さん
グッドスマイルカンパニー企画部・メカスマ設計班所属。
前職ではヘッドホンの設計に従事し、2017年にグッスマに入社。
秋葉原付近の飲食店の情報通で、自分も本格的に作れるほどの中華料理愛好家。


■ヘッドホンからロボットへ

――平田さんの前職はヘッドホンの設計ですね。

平田
 はい。ロックバンドLINKIN PARKのDJ・Mr.Hahnとグッスマが企画したヘッドホン「TOON WORKSHOP/THP-01」です。当時はグッスマからの依頼を受けて、前の会社で私がこのヘッドホンの設計を担当しました。

ヘッドホン「TOONWORKSHOP/THP-01」

――そのヘッドホン、見たことがあります。変形できますよね!

平田 
はい。少し折りたためる程度のヘッドホンであれば今までにもありましたが、ここまで変形できるヘッドホンは前例がなかったので設計に苦労しました。特に電線を内部に通さなくてはいけないのが大変でしたね。

――メカではないですが、メカっぽい…!この商品をきっかけにグッスマとのつながりができたのですか?

平田 そうですね。THP-01の設計が終わった約1年後、グッスマに入社しました。そして2019年頃から、田中ヒロさんの企画でグッスマはモデルキットシリーズ「MODEROID」をはじめ、メカ系のホビー商品に手を広げ、その時からメカ系商品の設計業務に関わるようになりました。

――平田さんが工業プロダクトの設計経験を持っているからですか?

平田 メカ系商品とフィギュアの開発アプローチが異なるからですね。当時、社内でCADソフトを使って3D図面を検証する経験があるスタッフはいなかったため、自分が力になれるかと思いました。ただ、「メカスマ」ブランドの成長と伴い、設計スキルを持つ専門的なスタッフも増えて、現在はメカスマ設計班に発展しました。

――仲間が増えて心強いですね。ちなみにメカスマチームの一員ということで平田さんが好きなロボット作品はありますか?

平田 『SDガンダム外伝』シリーズが好きですね。カードダスも集めました。あと『交響詩篇エウレカセブン』も!

――外伝では機兵周りの設定が好きです!別の機会で語り合いたいと思います。


■メカスマ設計班の仕事

――さて本題に入ります!メカスマ設計班のメンバーとして、普段の仕事を紹介してくだい!

平田 メカスマの場合、企画部が「どの機体やキャラクターを商品にし、どんなパーツを付けて、どんな遊び方ができるか」という仕様を考え、外部の設計会社様に外観と構造の設計を発注するのは基本です。そして設計会社様から完成したデータを受け取るのが我々設計班の仕事の始まりです。そこで設計班の仕事が主に3つのパートに分かれています:

 ①設計データの確認。
 グッスマが想定した外観と構造は反映されたかをCADソフトで精査し、問題点があれば設計会社様に修正依頼を出す、あるいは設計班自身で3Dデータを調整することになります。

「MODEROID バルディオス」の手首パーツが想定の角度で可動できるように、3Dデータの段階で設計班が形状変更を提案。商品をご購入いただいた方は、ぜひ実物と合わせて確認してみてください。

 ②データを3Dプリンターで出力して実物での確認。
 重量の影響や、組み立て難易度の高い箇所などデータだけでは把握しきれない課題を見つけ出し、設計にフィードバックします。

「MODEROID 炎神レイアース」の検証用の3Dプリンター出力品。モデルキットのように一つ一つのパーツで組み立てられました。

「MODEROID ダークディオン」の出力品を設計班が確認した後、より組み立てやすく、遊びやすいように改善を提案。

 
 ③量産向けの改良。
 設計会社様とやり取りしながら、構造を安定に量産できるような仕様にアップデートし、データにまとめて工場に渡すのも設計班の仕事です。金型を作った後も問題点があれば精査し、工場に修正依頼を出します。

修正依頼の一例。「MODEROID ガンバルガー」の工場サンプルを組み立て、嵌合調整が必要な箇所を資料にして工場にフィードバック。そして調整後のサンプルを再確認し、やっとOKになりました。

――設計班の仕事内容は幅広いですね。改めて聞くと私も理解が深まりました。あとは平田さん主催の、メカスマチーム若手社員の勉強会も毎週開かれますね。

平田
 そうですね。若手が増えてきたのでまずはベースとなる知識を伝えられる場を作れるといいなと。

――商品開発において、メカスマ設計班の立ち位置についてはどう思いますか?

平田 
設計面での舵取り役かなと思います。グッスマが複数の設計会社様と協力関係を築いており、それぞれの設計データを自社の設計基準をもとにチェックし、メカスマであるべき品質をキープすることが重要です。さらに、設計を通してブランドの品質を向上させる役割も担っています。

――設計を通して品質を向上させるというと、MODEROIDのシンカリオンシリーズが商品展開と共に構造設計が進化していくのは分かりやすいと思います。

平田 過去のメカスマブログも紹介しましたが、シンカリオンシリーズはほぼアイテムごとに構造上の進化点があります。自社での構造検討はもちろん、SNSで商品への反応も見ております。ユーザーのご意見やご希望から課題を抽出し、真剣に検討した後設計に落とし込んでみました。その結果、構造がだんだん改良されましたね。


MODEROIDシンカリオンシリーズ 開発進化図(メカスマブログより)

――ホビー商品の設計において前職と異なるところや、前職の経験を活かせたところは何ですか?

平田 ヘッドホンなどの家電をユーザー自身が組み立てる必要はありません。一方、モデルキットの場合は、ユーザー自身が組み立てる前提で作られた商品なので、設計検証の時にはユーザー目線での組みやすさを重視しました。

 前職では一人で設計から製造開発まで携わっていましたので、ものづくりの流れと知識は、ホビー商品の設計開発と共通する部分もあるため、うまく応用できたのではないかと思います。


■設計班が提案した新仕様

――メカスマの公式twitterアカウントにて、「MODEROID ダイナゼノン」の新仕様が公開されましたね。それは平田さんが提案した仕様だと聞きましたが…!

平田 はい。アニメのキービジュアル(第3弾以降)での肩アーマー位置を再現用の穴を追加しました。先に言ったように、SNSで「MODEROID ダイナゼノン」への反応をチェックする時に、「もしキービジュアルのあのポーズを取る時に、肩アーマーの位置も再現できたら嬉しいな」というユーザーの声を多く拝見しました。ヒロイック作画スタイルであれば、そのコンセプトを徹底してユーザーの要望に応えたいと考えはじめました。

 
 そこでデータで検証し、他の構造に影響せずに実現できるため、チーム内で提案して採用されました。それが先週に到着したサンプルでは反映されましたね。

――腕を高く挙げた時の肩アーマー位置をどうアレンジするかは、ロボット立体化の定番の課題ですね(笑)。

平田 
そのため、今回はその選択肢を提供させていただきました。開発も終盤に差し掛かってきていたタイミングでの形状変更でしたので、工場にはご迷惑をお掛けしてしまったかもしれませんが、ユーザーの方々に喜んでいただければ嬉しいです!

――これは嬉しいポイントですね!私もサンプルを見てみたいです!

平田 こちらです!

※開発中サンプルのため実際の商品とカラーリングが異なる箇所もございます。また、実際の商品では一部塗装が施されます。


――ポーズをバッチリ再現できましたね!


平田 ユーザーにより楽しんでいただければ設計班の冥利に尽きると思います。

――では最後に、ユーザーの方々へのメッセージをお願いします!

平田 おかげさまでメカスマの商品は多くのユーザーに受け入れるようになっていただけました。皆さまに喜んでいただけるあのメカやこのメカも鋭意開発中なので、今後ともメカスマをよろしくお願いいたします。

――そしてなんと、設計データ確認中の新商品画像をチラッと見せていただきました!

このパーツは一体…?!

平田 ぜひ、お楽しみに!

――本日ありがとうございました!


(2021年7月)


以上、メカスマ設計班・平田さんのインタビューでした。
今後また機会があれば、他の社員のインタビュー記事を届けていきたいと思います。

記事に登場した「MODEROID ダイナゼノン」のご予約は7月28日(水)21:00まで!
(GOODSMILE ONLINE SHOP予約ページ→ https://www.goodsmile.info/ja/product/11339/ )
追加仕様も参考にして、ご購入を検討いただけますと幸いです。

そして「MODEROID 炎神レイアース」をはじめ同シリーズの海神セレス空神ウインダムも予約受付中!
(商品情報と予約情報ページ→ https://goodsmile.link/3AHF0ob
こちらもぜひお見逃しなく!

それでは、次回のブログでまたお会いしましょう。

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