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みなさん、こんにちは。
製造部 ウエダです。

「ねんどろいどができるまで」第3回の更新!

連載1話:商品化決定までのながれ→http://amba.to/1XbVbSv
連載2話:企画仕様書をつくろう→http://amba.to/1RcPIUa

商品の仕様が固まった「ねんどろいど ルル子」
いよいよ原型の制作へ入っていきます!

原型制作

「ねんどろいどルル子」の原型師は
グッドスマイルカンパニー上海所属の原型師・陳天(チンテン)さん!

原型師は
企画仕様書やキャラクターの設定資料などをもとに原型を作り始めます。

キャラクターのどの部分から作るのかは原型師さんによって様々なのだとか。
全体を少しずつ作る人もいれば、パーツごとに作っていく人もいるそう。

↑「ねんどろいどルル子」の場合は、頭部から作り始めたようです。

黙々と原型を作っていくのですが、ここで登場するのが”制作ディレクタ-”
その名の通り、原型をディレクションするのがお仕事です。

\制作ディレクター・めすかさん/

ウエダ(以下ウ):原型のディレクションとはどういったことをするお仕事なのでしょうか?

めすか(以下め):原型師が作っている原型をより良くするため、
           客観的に原型を見てコメントをし、方向性の指示をしたりします。

ウエダ:ちょっと言葉では分かりにくいです(´_`。)
     実際に「ねんどろいど ルル子」ではどういったディレクションを行ったのですか?

↑画像左が陳天さんの原型
画像右がそれに対するめすかさんのディレクションコメントです。

め:例えば、髪の毛

ウ:右耳あたりの髪の毛など、
  イラストをもとにルル子の特徴を掴んでいる原型に感じますが…

め:確かに髪の毛1本1本の特徴を掴んではいるのですが、
  全体を見た時に大きく広がっている印象がありました。
  原型を作るときは細かいところに目がいきやすいのですが、
  最終的には全体のバランスが大事です。

ウ:なるほど。
  おさげの位置も「前髪につける」とコメントしていますがこれはどういった意味でしょうか?

め:最初、おさげと髪飾りの星は後頭部側についていました。
  しかし後頭部についていると前から見えにくかったので、
  前髪側につけた方がいいと思いコメントしました。

ウ:画像だけでそこまでわかるとは!

め:あとは、肩が少し張っているイメージなのを修正するのと
  胸のリボンの位置も少し下げ、スカートも短くなるように指示をしました。

\めすかさんのコメントをもとに修正した原型がこちら/

ウ:なんということでしょう。
  横に広がった頭部周りはすっきりとし
  スカートを短くし、肩の張りをなくした分より女の子らしさが増したようにみえます。
  リボンも下げることで首が詰まった印象がなくなりましたね。

め:画像で比較するとわかりやすいですよね!

ウ:おさげと髪飾りの部分はコメントだけではピンとこなかったのですが、
  こうして比較してみるとはっきりと違いがわかりますね。

め:特に正面からみてかわいくなるように意識しています。

ウ:比較するとわかりやすいですが、
  原型をみただけでコメントできるというのは…プロです…。

め:あとはこのポーズ。

ウ:企画担当ミウラさんお気に入りの「驚き顔」を使ったポージング!
  アニメではルル子の頭に突然パトランプが出現して…といったシーンですね。

め:そうそう。
  このポーズにもコメントを入れたんですが、どういったコメントかわかりますか?

ウ:え、えーっと。頭周りも胴体も修正済みのようだし…手か?手なのか!??

  ※みなさんはどういったコメントを
したかわかりますか?

め:このコメントをみてください。

\BIG Suprise!!/

め:この原型に着手しはじめたのはアニメの放送前。
  資料や画像はあったのですが、 
  このシーンのストーリールル子の置かれた状況が伝わりきっていなかったようです。
  なので、手の開き具合からみて「驚き」加減が控えめでした。

ウ:言われてみれば!

め:そこで改めてこの時のルル子状況を説明し、手の形を具体的に指示しました。

ウ:画像付きでわかりやすいです!
  ちなみにめすかさんの手ですか?

め:もちろん。わかりやすく伝えるためにいろいろな手段を使います。
  上海と日本で距離や言語の違いもあるので相手への伝え方は常に気をつけています。

ウ:めすかさんのコメント…わかりやすく面白いのでブログで紹介する甲斐があります。

\修正後の原型がこちら/

↑画像通りの手の形になっており、
「BIG Suprise!!」感が増しました。

め:こうして原型師とのやりとりを繰り返し、原型を仕上げていきます。

ウ;大体どのくらいの期間で原型を作るのでしょうか・

め:ねんどろいどだと1ヶ月半~2ヶ月です。

ウ:長いのか短いのか…。
  その期間で1体の原型を作るとなると短い気がしますが…

め:もちろん時間をかけて納得のいく原型を追求するのは大事ですが
  ある程度の時間の区切りをきめないと
  お客様にお届けするのも遅れてしまいますしね。

ウ:そうですよね。
  めすかさんはディレクションをするときに気をつけていることはありますか?

め:そうですね、あくまで全体のバランスなどを見るようにしていて
  細かい表現は原型師の特徴や個性を活かすようにしていますね。

ウ:原型師さんにとっては自分の作品として残るものですもんね。
  ディレクターの原型確認でOKがでたら、版元さまの監修でしょうか?

め:いやいや、まずは企画担当にみせないと!
  ルル子のときも企画担当・ミウラ君からはコメントが入ったんですよ。

ウ:!!!!

め:さっきも出てきた「驚き顔」の鼻の造形についてです。

ウ:鼻ですか?

め:最初は「通常顔」同様に、鼻の造形を入れていたんです。
  でもミウラ君からはギャグ顔に振り切りたいというコメントが入ったので
 
 思い切って鼻の造形をなくしました

ウ:さすがルル子の表情に並々ならぬこだわりのあるミウラさん!

め:企画担当のOKもでて、いざ版元様の監修を受けるという流れですね。

ウ:なんだかウエダまで胃が痛くなってきました…。どきどき。

版元監修

監督:今石洋之さん
第2監督:雨宮哲さん


お忙しい中、ご監修いただきありがとうございました…!

「ねんどろいど ルル子」の原型が今石監督とご対面。

企画担当・ミウラさん、プレゼンをしている様子です!
全ポーズ、全パーツを確認いただいています。

笑顔…?
これはもしや笑顔をいただけたのか…?

気になる監修結果は…原型OK


いただきました!原型監修OK!

キャラクターにとって親といっても過言ではない版元様からOKをいただけるのは
すごい喜びです(o
゚▽゚)o゚

原型師、ディレクター、企画担当が
キャラクターを「ねんどろいど」として形にするため繰り返したやり取りが報われた瞬間!

原型監修が通ったら、
原型に彩色をしていき、デコレーションマスターの制作に入ります。
それと平行して、商品として量産するために原型が製造部の手に渡ります

と、本日はここまで。
次回に、つづく!!!

次回予告:製造仕様書の作成、中国の空へ
監修を通った原型が製造部のもとに渡ります。
そこから工場で量産するため、製造仕様書というものを作っていきます。

そして本日23時からTOKYO MXにて「宇宙パトロールルル子」第10話が放送!
皆様お見逃しなく!
そのほか放送情報については公式サイトをチェックしてくださいね。
オンエア情報はこちら→http://luluco.tv/onair


それではまた会えますように。

-本日の一枚-


原型監修OKをいただいた今こそ、
このノヴァくんのスタンプを連打したい気分です!!!!!!

「宇宙パトロールル子」のLINEスタンプはこちらから
https://store.line.me/stickershop/product/1267011/ja

製造部 ウエダ

©TRIGGER・今石洋之/宇宙パトロールルル子製作委員会☆


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