皆様、こんにちは!
気が付けば入社して早一年半が経ちました…。
後輩のらぼメンもどんどんらぼに馴染み先輩として一層気を引き締めていきたいと思っておりますこーちゃんです。
さて今回は我々制作部のらぼメン(シロ、ドン・ウー、こーちゃん)が挑戦しましたスカルプターズトライアウトをもっと皆さんに知ってもらうべくインタビューを行いたいと思います!
◆トライアウトとは…
マックスファクトリーとグッドスマイルカンパニーの共催にて実施される制作職の登竜門「トライアウト」。 原型師・フィニッシャーを職業にしたいと本気で考えている方々に向けて、2010年より実施開始、今年で10周年を迎えた両社オリジナルの採用制度です。 日本以外のアジア地域の方はこちらをご覧ください:http://goodsmileasia.info |
ということで
「トライアウト挑戦してみたいけど不安だな…」という方に向けて、制作部のらぼメンやディレクター陣に気になるあれこれを聞いていきます!
今回はフィニッシャー編に続き原型師を職業にしたい人向けの部門スカルプターズトライアウトのインタビューになります
メンバー紹介
Q:入社当初はどんなお仕事をされてきましたか?
↑作業中のらぼメンたち
ドン:配属されてすぐは主にねんどろいどの調整業務をしていました。
まずは工場で量産するための※金型用原型の調整作業などの仕事をします。
こー:キャストに複製する都合で発生したパーツ同士の隙間を埋める作業や、
工場での可動の見本になる組立て見本の「腕や足」などの軸まわりがゆるゆるにならないよう嵌合の調整作業をします。
シロ:そういった作業を通してポリエステルパテやシアノンという材料の使い方や、原型を一から作るための基礎的な造形能力を学びます。
こー:大変な仕事ではありますがメーカーとして商品を作る一工程に携わることが出来るのは貴重な機会だと思います。
市橋:ここでやっていたのはいわゆる下積み作業なので楽しいことばかりではないと思います。原型師って原型を作りたいじゃないですか、でもメーカーに入ると「フィギュア作品を作る」とはまた別のお客様に届ける商品を作るための知識と技術も身につけないといけないんですよね。
ドン:そうですね。
トライアウトを受けていたころの自分はフィギュアができる工程とかも全く知らなかったので、業務を通してどうやってフィギュアが作られているか理解できましたね。
工藤:最初はみんなわからないよね。
でもこういった作業を繰り返しこなしていくと、「どうすればより良い形でお客様に届けることが出来るのか」というのを学べるので、自分で原型を作る際にもよりスピーディーに良いものを作れるようになると思います。
そういった知識や技術を蓄えていってやっと原型を作る力がついてくるんです。
市橋:一人で仕事をしているだけでは技術や知識を得るのは難しいので、メーカーで働くのは今後フィギュア業界で生きていくうえですごくメリットになると思いますね。
※金型用原型とは工場で量産する際に作成する「金型」のもとになる原型のこと、パテや3Dプリンタで作られた一次原型をレジンキャストに置換したものが一般的。
Q:最近はどんな仕事を主にしていますか?
こー:原型制作に携わる機会が増え小物パーツや交換手首などのオプションパーツ製作や、※原型修正を行っています。
その他にもねんどろいどの面相作成などの業務も行っていますね。
ドン:それらの業務を何度か重ねたうえで最近ではねんどろいど丸々一体の原型制作にも入っています。
※原型修正とは安藝社長による社内監修や、版元監修での修正指示を原型に反映させる作業。顔や前髪など重要部分を修正することも多いです。
▶フィギュアができるまでの大まかな流れはこちら
Q:一次審査ではどんな作品を提出されましたか?
こー:僕は『NEW GAME!!』より「桜ねね」のスケールフィギュアを提出しました!
Q:近年は自由課題で審査が行われていますが、どんなモチーフを選ばれたんでしょうか?
こー:僕は全体のバランスが見やすく「立ちポーズ」のイラストであること、顔の造形をかわいく作れそうなもの、さらにフリルがあったりと見せ場が多くなりそうなモチーフにしました!
ドン:僕はポーズで選んだというか、お腹を反っているフィギュアよりも丸めているフィギュアが好きだったのでそういう題材にしました。
シロ:私は「キャラクターデザインがかわいいこと」と「マントの柄がきれいで作りたい」と思った美少女キャラを選びました。
工藤:みんないろんなことを意識して選んでて良いね。
市橋:トライアウトで見る基準は「ポーズがちゃんと成立しているか」とか「体のサイズバランス」なので見栄えのするポーズをトライアウトの題材にするのは適しているかもしれないですね。
工藤:ただ、見栄えが良いポーズは良し悪しが直感的にわかっちゃうので、ちょっとした違和感が目立って
作者のアレンジの加減もわかっちゃうのでなかなか難しいところもありますね。
市橋:実力は出やすいかもですが、ポーズにフォーカスを当てて選ぶのは審査のポイントになりやすいと思います。
Q:一次審査はWEB審査ですがどんな写真がベストでしょうか?
市橋:簡単に言うと雑誌やWEBの発表画像の通りに撮れているのが理想ですね。
ポイントとしては
全身カットは
全体がちゃんと写っててパースが深くないこと。 |
フィギュアの顔の高さにレンズを合わせてその角度を基準に回転させた8方向のカット。 |
顔のアップは
胸から上を目線が合うように正面。それと斜めの左右から撮る |
ライティングは影と明るい部分のコントラストがあまり出ないように注意する。 |
以上を気を付けてもらえると良いと思います。
工藤:たぶん応募している方の見せたいポイントがあって、そこにレンズをフォーカスした写真を撮りたくなってしまうとは思うのですが
選考する目線で言うと全体がしっかり見えてレンズに影響されずに形状がそのまま画像になっているほうが見やすいです。
市橋:しっかり撮れているか確認するために画像を印刷して実物と見比べてみたりするのも良いと思います。
Q:実際のディレクション画像を見せていただけないでしょうか?
こー:やっぱり見たいですよね…。
今回は特別に僕が実際に受けたディレクション画像をお見せします!
まずは修正指示からお見せします。
市橋:。トライアウトの二次審査で修正指示を出す目的としては商業原型師として「社内監修や版元監修などの修正指示をしっかり反映できるスキルがあるか」を確認するためのものです。
なるほど、これをもとに修正をしていくわけですね。
市橋:そうですね、大体一か月を目途に修正指示を反映してもらいます。
こー:そして一か月後の作品がこちらです。まずこれはどこを修正したかの解説です。
なるべくどこを直したかわかってもらえるように解説画像も用意してみました。
シロ:こうやって比較してみると、修正点が一目瞭然だね。
こー:そう思ってもらえたなら良かったです!そして最後にこれが修正後の完成写真になります。
工藤:ひねりが加わって躍動感が出たね、あまりトライアウトのディレクション画像は公開してきてないので貴重かもしれませんね。
※本作品は商品化予定のない個人製作物となります。特別に許諾を得て掲載しております
Q:面談ではどういった部分を見ていますか?
市橋:面談ではその人の作品より人間性を重視していますね。
工藤:こちらの言ってることを理解して話をしてくれる人なのか、受け答えの出来る人なのかを判断するために行っていますね。
市橋:一つの「フィギュア作品」は一人でも作れるけど商品って一人では作れないじゃないですか。お客様に届ける商品を作るためには、いろんな人とかかわりが必要でコミュニケーションがそこには絶対発生するんですよ。
造形などの技術だけではなく、そういったコミュニケーションが取れるかという部分も見ています。
工藤:あとは理想ですね。その人がどうなりたいかや、会社に入って「どういう作品を生み出したい」とか夢とか希望を聞きたいですね。
シロ:目標や願望があるかが大事なんですね。
工藤:割り切って仕事ができるといいのですが、そうじゃない場合目標や願望がないとうまくいかないんじゃないかと。
「自分はこういうものが好きだ」とか根源的な欲求がくじけそうになった時に支えてくれると思うので、そういう情熱があると良い原型師になってくれそうだな、と思いますね。
Q:トライアウトで入社した先輩はどんな仕事をされていますか?
ドン:受ける人もトライアウトで入ったとしてそのあとどういう仕事をしていくのかが知りたいと思うんですよね。
市橋:初期メンバーの方々が入られて十年になります、皆さんは第一線で活躍していますね。原型師もフィニッシャーもそれぞれスケールフィギュアなどフラッグシップになるようなものを作っています。
さらには後輩への指導や、他の人が作った原型の監修(ディレクション)修正指示出しをしていたり、皆さん制作部のコアメンバーとして活躍されていますね。
近い将来君たちもそうなるんですよ…?(笑)
最後にトライアウトを受けようと思っている方に一言
こー:学生時代は一人で黙々と作業していたので的確なアドバイスをくれる人があまりおらず、自己完結した制作をしていましたが、トライアウトをきっかけに初めて人に見せることを意識して製作できました。 得られるものは必ずあると思います、ぜひ勇気を出してチャレンジしてみましょう! |
ドン:プロのディレクターからコメントをもらい自分の実力を客観的に見ることのできるいい機会だと思います。 「応募しても大丈夫かなあ」と迷っている方にこそ是非応募してみることをお勧めします! |
シロ:仕事は大変な時もありますが先輩方がやり方教えてくれたり、他部署の方からもアドバイスや意見を戴けたりと入社してからはどんどん自分の視野を広げることができています! |
これでスカルプターズトライアウトのインタビューは終了です!皆さんありがとうございました!
「原型師になりたい!」とお考えのあなた、
「トライアウト」の応募は11月1日(日)からスタート!となります。奮ってご応募くださいませ!!!
それではまた次回お会いしましょう!!